第1回:DxO PhotoLab 9とは? Lightroomとの違いと選ぶべき理由
- 藤原 嘉騎

- 5 日前
- 読了時間: 6分
こんにちは、DxO PhotoLab 日本アンバサダー 藤原 嘉騎です。 ※このソフト、DxOアンバサダーとしてご縁があって紹介しています。だからといって褒めるだけの記事にはしません、良いところも気になるところも正直に書いていきます。
これから全10回にわたって「DxO PhotoLab 9 現像の教科書」をお届けします。この連載では、毎回同じ4つの視点で機能を解説していきます。
この機能は何をするものか?(役割の言語化)
どんな写真で使うのか?(最適な被写体・シチュエーション)
なぜこのタイミングで使うのか?(ワークフロー上の理由)
使いすぎるとどうなるのか?(初心者が陥る失敗の予防)
「なんとなく触ってなんとなく仕上がる」から卒業し、自分の判断でRAW現像ができるようになる。それがこの連載のゴールです。第1回目の今回は、そもそもDxO PhotoLab 9とは何なのか、解剖していきましょう。
1. サブスク疲れ、していませんか?
多くの人が使っているLightroom Classicは、月額または年額のサブスクリプション契約です。契約を続けている限り使えますが、裏を返せば「支払いを止めた瞬間、自分のRAWデータを編集できなくなる」ということでもあります。近年は値上げも重なり、「本当にこのままでいいのか」と感じている方も増えてきました。
DxO PhotoLab 9は、これとは根本的に設計思想が違うソフトです。
2. DxO PhotoLab 9は「買い切り」で使えるRAW現像ソフト
DxO PhotoLab 9は一度購入すれば継続課金は発生しない永続ライセンス制です。新規ライセンスが29,999円、旧バージョン(7・8)からのアップグレードなら14,999円という価格設定で、1ライセンスで最大3台のPCにインストールできます。
もちろん、年1回程度のペースでメジャーアップデートがあり、最新機能を使うには有償アップグレードが必要になる場合があります。
ただしそれも「アップグレードするorしない」を自分の意思で選べるという点が、強制的に課金が続くサブスクとの大きな違いです。今のバージョンのまま使い続けても、機能が使えなくなることはありません。
3. 「効率のLightroom」に対して「画質のDxO」
Lightroom Classicが写真の管理・効率的なワークフローに強みを持つソフトだとすれば、DxO PhotoLab 9は徹底して画質を追求したソフトです。まずは両者の強みの違いを以下の比較表で見てみましょう。

この違いを生んでいる二本柱が、自動光学補正とDeepPRIMEです。
① 自動光学補正:レンズの弱点を自動で消す
DxOは何千ものカメラとレンズの組み合わせを実際にラボで測定し、そのデータをもとに「DxO光学モジュール」という補正プロファイルを作っています。写真を読み込むだけで、レンズ固有の欠点を自動で補正してくれるのが特徴です。
具体的には、画面右側のパレットにある以下の4つの項目が、指一本動かさずに「最初から完璧な数値」で自動適用されます。手持ちの機材の性能を、全自動で120%引き出せるイメージです。
レンズシャープネス:一般的なシャープ処理と違い、ノイズを増やさずに中心から四隅までピキッと解像させる
歪曲収差(わいきょくしゅうさ):広角レンズなどで直線が曲がってしまう歪みを真っ直ぐに直す
色収差:逆光の輪郭などに出る、不自然な紫や緑の色にじみを消し去る
周辺減光:レンズの構造上、どうしても写真の四隅が暗くなってしまう現象を綺麗に均一にする


② DeepPRIME:世界最強クラスのノイズ除去
もうひとつの柱が、機械学習を用いたノイズ除去技術「DeepPRIME」です。
最新のDeepPRIME XD3は、これまでFujifilmのX-Transセンサー専用だった高精度処理が、通常のベイヤーセンサー機にも対応しました。高ISOで撮った夜景や野鳥写真でも、ノイズを消しながら細部のディテールをしっかり残せるのが強みです。この技術については第5回で詳しく掘り下げます。


さらにPhotoLab 9では、被写体を自動認識して部分補正できる「AIマスク」も新搭載され、DxO伝統の「U Point」コントロールポイントと組み合わせることで、狙った場所だけをピンポイントで仕上げられるようになりました。
4. 知っておきたい「使いすぎ」の注意点(教科書の約束)
PhotoLab 9はボタン一つで写真が劇的に綺麗になりますが、この連載の大切なお約束である「使いすぎるとどうなるか?」の判断基準を、最初にお伝えしておきます。
光学補正のシャープネスを上げすぎると? 輪郭がギリギリと尖った、デジタル特有の不自然で硬い写真になってしまいます。
DeepPRIMEの数値を最大にしすぎると? ノイズは消えますが、写真全体がツルツルになりすぎて、肌や服、岩などの質感が失われた「人工的なぬり絵」のようになってしまいます。
素晴らしい機能だからこそ、「引き算の視点」がプロとアマを分けます。適切なコントロール方法は、これからの連載でじっくり学んでいきましょう。
5. こんな人にDxO PhotoLab 9はおすすめ
サブスクの支払いにストレスを感じている人
夜景・野生動物・スポーツなど高ISOで撮ることが多い人
1枚1枚、画質を突き詰めて仕上げたい人
カタログ管理の手間を省き、フォルダベースで軽快に作業したい人
逆に、大量の写真を高速に選別・管理したいプロの現場や、常に最新のクラウド連携機能を使いたい人にはLightroomの方が向いている場面もあります。「画質を取るか、ワークフロー効率を取るか」——これが両ソフトを分ける本質的な違いです。
実は私の使い方は、Lightroomで写真の選別や管理を行い、そこから『ここぞ』という勝負写真や高ISOの写真を選び、PhotoLabでじっくり最高画質に現像するというハイブリッドな使い方をしています。
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次回予告
第2回は「RAW現像の基礎知識|なぜ『この順番』で補正するのか?」です。DxO PhotoLab 9が推奨する「光学補正 → ノイズ除去 → 明るさ → 色」という補正順序に、どんな科学的な理由があるのかを解説します。現像で迷子にならないための、いちばん大事な回になります。お楽しみに。












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