DxO PhotoLabの教科書 第3回:迷子にならない画面の見方と、スマートな写真管理術
こんにちは、DxO PhotoLab 日本アンバサダーの藤原嘉騎です。本日、DxO PhotoLab 10が発売されました。私自身は発売前から何ヶ月も使ってきたので、だいぶ手に馴染んできたところです。というわけで、この第3回からは解説画像もPhotoLab 10のものに切り替えていきます。
第1回、第2回と「補正の考え方」を扱ってきました。今回は少し毛色を変えて、現像の前段階、つまり「写真をどう探し、どう選ぶか」という管理の話です。 ここが快適だと、現像そのものに使える時間と気力が変わってきます。
そもそも「カタログ」って何のためにあるのか
Lightroom Classicを使ったことがある方は、最初に必ず「カタログを作成」という工程を通ります。 これは、すべての写真の情報(サムネイル、編集履歴、キーワードなど)を専用のデータベースに登録する作業です。カタログがあるからこそ高速な検索や管理ができる、というのがLightroomの設計思想です。
裏を返せば、カタログが壊れたり、カタログファイルの場所を見失ったりすると、途端に写真を探せなくなるリスクも抱えることになります。「バックアップし忘れたカタログが壊れて、編集履歴が全部消えた」という話を、耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
DxO PhotoLab は「カタログを作らない」
DxO PhotoLab の設計思想はまったく逆です。専用データベースを作らず、パソコン内のフォルダ構造をそのまま読みに行きます。写真の管理は、これまで通りOSのフォルダ分けがそのまま使えます。
これにより、写真を取り込む(インポートする)という手間そのものがありません。フォルダを開けば、そこにある写真がそのままDxO PhotoLab上に表示されます。編集内容はサイドカーファイル(.dopファイル)として各写真のそばに保存されるので、「カタログが壊れて全部消えた」という事故が構造的に起きにくいのも安心材料です。
2つの画面を行き来する:フォトライブラリ⇄カスタマイズ
DxO PhotoLab の画面は、大きく分けて2つのモードがあります。
- **フォトライブラリ**:フォルダを一覧し、写真をブラウズ・選別するための画面
- **設定**:1枚の写真をじっくり現像するための画面
この2つを行き来しながら作業するのが基本の流れです。フォトライブラリで「今日使う写真」を絞り込み、気に入った1枚が見つかったらカスタマイズに切り替えて現像する。終わったらまたフォトライブラリに戻って次の候補を探す——このリズムに慣れると、迷わず作業を進められるようになります。

イメージスタックで、似た写真をまとめる
連写やブラケット撮影をすると、似たようなカットが何十枚も並んでしまいますよね。DxO PhotoLab には、そうした似た写真を1つの束(スタック)にまとめる機能があります。
スタックにした写真は、サムネイル一覧上では1枚分の場所しか取らなくなるので、フォトライブラリの見た目が一気にすっきりします。ベストショットだけを表紙にしておけば、あとから見返すときも迷いません。
使うタイミングの目安:撮影直後、セレクト作業に入る前にスタックを作っておくのがおすすめです。あとからまとめても効果は同じですが、先にやっておくとフォトライブラリが常に整理された状態を保てます。
手動で写真をスタックにまとめる(最も確実な方法)
特定のカットを選んで1つの束にまとめたい場合の手順です。
写真を選択する:画面下部のサムネイル一覧(フィルムストリップ)またはライブラリで、まとめたい写真をCtrl(MacはCmd)キーを押しながら複数選択します。
スタックを作成する:選択した写真を右クリックし、コンテキストメニューから「スタック」→「スタックを作成」(またはCreate Stack)を選択します。
トップ画像(代表写真)を調整・開閉する:束の一番上に表示される代表写真は後から変更でき、スタックはクリック一つで開閉できます。
進化したフィルター機能で、探す時間を減らす
DxO PhotoLab では、フォトライブラリの検索・絞り込み機能も強化されています。星評価やカラータグ、採用・リジェクトのフラグに加えて、「編集済みの写真だけ」「まだ手をつけていない写真だけ」「部分調整(AIマスクやU Point)を使った写真だけ」といった条件で一覧を絞り込めるフィルターが用意されています。
たとえば、こんな使い方ができます。
◉「まだ編集していない写真だけ」を表示して、セレクト漏れを防ぐ ◉「部分調整を使った写真だけ」を表示して、力の入った作品だけを見返す
◉ カラータグやレーティングで撮影シチュエーションごとに写真を仕分ける

便利機能に頼りすぎるとどうなるか
スタックやフィルターは便利ですが、頼りすぎると別の問題も起きます。スタックにまとめすぎると、束の中に埋もれたカットの存在を忘れてしまいがちです。「表紙にした1枚だけで満足してしまい、実はもっと良いカットが束の奥に眠っていた」というのはよくある話です。
定期的に束を開いて中身を見直す、あるいは撮影直後だけでなく現像作業の合間にもスタックの中身を確認する——この一手間を忘れないようにしましょう。
こんな人に「カタログ不要」は刺さります
◉大量の写真を、都度都度サッと開いて確認したい人
◉カタログの管理・バックアップに気を遣いたくない人
◉撮影現場によってPCを変える、あるいは外付けドライブで写真を持ち歩く人
余談ですが、私自身は写真データをSynologyのNASに入れています。カタログという「実体を持つデータベース」がないおかげで、QuickConnect経由でネット環境さえあれば海外に出ていても、NASにアクセスして現像の続きやセレクト作業をそのまま再開できます。
以前、香港のカフェで朝日を浴びながら写真のセレクトをしたり、雑誌の原稿を書いたりしたこともありました。「あのカタログ、自宅のPCにしか入っていない」と焦る心配がないのは、地味に大きな安心材料です。
逆に、何万枚もの写真を横断検索してキーワード管理したい人には、カタログ型のLightroomの方が向いている場面もあります。ここも「効率のLightroom、画質と身軽さのDxO」という、第1回でお伝えした住み分けの延長線上にあります。
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## 次回予告
第4回は「レンズの限界を超える!『光学補正』の仕組みと自動化」です。DxOの核である光学モジュールがどんな仕組みで動いているのか、そしてなぜ周辺減光や歪みを一瞬で消せるのかを、もう一段深く掘り下げます。お楽しみに。













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